11月5日(水)
巨人タカ笑い、小久保タダのワケ
巨人・渡辺恒雄オーナーとダイエー・中内正オーナーのトップ会談で電撃的に決まった小久保裕紀内野手(32)の無償トレード。タダで主砲級の戦力を手に入れた巨人にとっては、まさにタナボタだろう。早くも複数年での契約を提示するなど、小久保を中心とした戦力構想に着手。とはいえ、これで、リストラの瀬戸際にいる清原や江藤は、ますます窮地に立たされることになった。
3日の緊急記者会見で見せたダイエー・中内オーナーの涙が、すべてを物語っていた。
「どうしても環境を変えたい、というので、彼の野球人生を考え、希望をかなえてあげたいと思いました」
右ひざのリハビリ中とはいえ、誰もが認めるダイエーの中心選手。背景にあったのは球団不信で、「良ければ褒められるし、悪ければ年俸にはね返るという純粋なところでやりたかった」という。このままダイエーに残れば、大幅な年俸ダウンは必至。メジャー行きを宣言した井口と同様、成績がストレートに年俸に反映されないダイエーを見限った格好だ。
それにしても、なぜ、“無償”で放出しなければならなかったのか?
当初、ダイエーは金銭でのトレードを画策していた。ところが、ふたを開けてみれば巨人へタダで…。異例のトレードに疑問がわくのも当然だが、球界関係者の間でささやかれているのは、渡辺オーナーとの“裏取引説”だ。
何しろ、球界に君臨する渡辺オーナーは、事あるごとに本社の経営難に苦しむダイエーに圧力をかけてきた。他球団のオーナーにも働きかけ、“ダイエー包囲網”を構築。自ら「すでに各球団のオーナーの確認は取ってある」という通り、渡辺オーナーの号令ひとつで、いつでもダイエーのプロ野球参加資格をはく奪できる立場にいたわけだ。
一方、中内オーナーサイドには、こんな声もある。「中内さんはどうしても、オーナー職を失いたくなかった。その存続のために小久保を巨人に無償でトレードしたのだろう」(球界関係者)。
10月31日のオーナー会議で、これまでどおりの球団存続が認められた。「ない袖は振れない」というのが正直なところだろうが、球団売却問題で世話になった巨人への感謝の気持ちが今回の無償トレードだったのか。
これが事実ならば、まさに巨人が圧力をかけて強奪したような格好だ。老獪(ろうかい)な渡辺オーナーならではの策略ともいえる。会見で見せた中内オーナーの涙は、巨人のやり方に対する精いっぱいの抗議だったのかもしれない。
ぬれ手でアワの巨人にしてみれば、してやったりというところだろう。堀内監督は、小久保獲得について、「先週から話は聞いていたけど…」と前置きし、FAで獲得を目指している西武・松井に質問が及ぶと、「そんなことはとってから考えればいいこと」と、質問を打ちきってしまった。
だが、問題となるのは巨人でのポジションだ。右ひざの回復具合にもよるが、現段階では、サードでの起用が有力。西武・松井が獲得できれば、二岡をサードにコンバートすることも検討していたが、これも白紙に。いずれにせよ、巨人の内野陣はビッグネームで飽和状態だ。
それだけに、峠を過ぎた清原や江藤は、いつリストラされてもおかしくない状態。逆に課題の投手陣は、いまなお手薄で、補強が急務とされている。有り余った野手を放出してエース級の投手を獲得できれば、言うことなしだろう。V奪回を目指す巨人にとっては、盤石の布陣が完成しつつある。オフの主役は、やっぱり巨人だった。(夕刊フジ)
ダイエー 球団事務所に抗議電話殺到
小久保放出、なぜだ!主砲の小久保裕紀内野手(32)を巨人に無償でトレードしたダイエー球団に対して4日、ファンからの抗議が殺到した。福岡市中央区の球団事務所には1000件以上の抗議電話が殺到。球団公式サイトにも書き込みが行われた。不可解な移籍に疑問を投げ掛ける内容のほか、中内正オーナー(44)らの退陣を要求。関係者からは不買運動を心配する声も上がり、電撃トレードが大きな波紋を広げた。
朝から電話が鳴りやまない。受話器の向こう側から聞こえてくるのは怒声にも似た抗議の声。福岡市中央区の球団事務所には、多い時間帯には1時間に100本以上もの抗議電話が殺到し、最終的には1000件以上にも上った。
過去に例がない四番打者の無償でのトレード。前日の会見で中内オーナーから明確な説明がなかったこともあり、そのほとんどが無償トレードに至った経緯の説明を求めるものだったという。「ちゃんと説明してください」「なんで四番を出さなきゃいけないんだ」…。約10人の職員は夕方まで応対に追われ、ある職員は「仕事になりません」と頭を抱えるばかり。中には「年間予約席をキャンセルしたい」との申し出まであり、抗議電話は福岡市天神のダイエーショッパーズ福岡店にも及び、広報担当者は「怒りの行き場がないのでしょう」と力なく話した。
ファンの抗議は電話だけに収まらない。福岡ドームが運営する球団公式サイト「ホークスタウン・オンライン」の掲示板には不買運動を求める声や「いっそ身売りすべき」との書き込みもあった。さらには中内オーナーをはじめ、高塚猛オーナー代行兼球団社長(56)ら球団フロントの退陣を求める署名運動を8、9両日に博多駅筑紫口で行うと表明し、多くのファンが参加するように求めたメッセージも掲載された。球団事務所前には「ファンの納得いく説明を」と書かれたプラカードを抱える男性が出現。主砲を無償で放出するという異常とも言える事態にファンの怒りと不信感は高まる一方で、球団関係者からは「不買運動が起こらなければいいが」と心配する声も聞かれた。
昨年度の赤字が約15億円など球団経営がひっ迫、小久保の年俸2億1000万円が重荷となったことが無償トレードの一因と見る向きもある。そんな中、ダイエーの主力行の一角の福岡銀行の寺本清頭取は、この日の記者会見で「戦力構成の問題をコメントするのは難しいが、球団の事業価値を大事にしてほしい」と話した。選手は球団の財産。それが幹部候補の主力となればなおさらだ。寺本頭取は再建策の中で球団を今後も福岡に残すための保証が必要と主張しているが、地元企業からは今回のトレードが球団や本体の経営まで脅かしかねないと指摘する声も出ている。(スポーツニッポン)
小久保 巨人の“四番奪取”誓う
ダイエーから巨人への電撃移籍が決まった小久保が、けん騒を振り払うように巨人での“四番奪取”を誓った。福岡・西戸崎のダイエー室内練習場でリハビリを行った後、四番へのこだわりを強調。不敵な笑みをこぼして言った。
「ダイエーでもこの打順(四番)を打たせてもらっていたし(巨人で)いきなり下位では発奮材料にもならない。目標は高く持っています」。入団2年目から守り続けた四番の座。尊敬する王監督からは「お客さんはお前のホームランを見に来てるんだ」と英才教育を施された。広い福岡ドームを本拠としたダイエーから神宮、広島など狭い球場での試合が増えるセ・リーグに替われば量産も可能。王監督の古巣・巨人で四番に座ることが恩返しになると思っている。
宮崎で秋季キャンプ中の巨人・淡口打撃コーチは「まずは(小久保の)ひざの状態を春のキャンプで見極めたい。力は分かってるし清原、ペタと争うことになる。オープン戦で四番を決めたい」と明言。清原、ペタジーニ、小久保をオープン戦で日替わりで四番起用して勝負させる方針で、この日初めて装具(ニーブレス)を外して約150球のマシン打撃を行った小久保も「オープン戦の最初から出られる体にしたい」と意気込んでいた。(スポーツニッポン)
小久保4番狙う! 清原、ペタに宣戦布告
巨人に移籍が決まった小久保が「主砲争い」参戦を宣言した。この日、福岡市内の西戸崎室内練習場でトレーニングを再開。報道陣から打順について問われ「いきなり下位(の打順)では自分の発奮材料になりませんから」と、重量打線の巨人でも4番の座を狙うことをきっぱりと語った。
キャッチボール、マシン打撃、筋力トレーニングと約4時間の練習に汗を流した。3月に負傷した右ひざの回復も「直線のダッシュは100%でできる。打撃も100%。守備は70%。トータルでは8割くらい」と順調だ。巨人では清原、ペタジーニら強力布陣との争いになるが、ダイエー10年間で王監督に4番を託され、通算227本塁打した自負もある。「ダイエーではずっと4番を打たせてもらったので目標は高く持っている」。主砲争いに自らのバットで割って入るつもりだ。
練習場を離れるとき、20人近いファンに囲まれた。「福岡のファンに最後のユニホーム姿を見せられなかったのが心残り。新しいところで活躍する姿を見てほしい。これまで以上のパフォーマンスを出せるように頑張りたい」。福岡を去る寂しさは封印した。巨人4番争いというし烈な戦いが、すでに始まっていることはだれよりも分かっていた。(日刊スポーツ)
小久保放出にブーイング1000件
主砲小久保が無償で巨人にトレードされた衝撃は、あまりに大きかった。発表から一夜明けた4日、福岡市のダイエー球団事務所には1000件もの抗議電話が殺到。一球団に対するものとしては前代未聞の多さで、フロントの退陣を求める声もあった。また、夜には福岡市内のホテルで米移籍を希望する井口と球団側との交渉が行われたが、結論は出ずじまい。「小久保ショック」はしばらく、尾を引きそうだ。
衝撃の「小久保無償トレード」から一夜明けたこの日、ダイエーの地元福岡を、余波が襲った。
ファンは、黙ってはいられなかった。福岡市のダイエー球団事務所には、早朝から抗議の電話が殺到。トレード発表日の前日は休日で球団事務所が営業していなかったこともあり、特にこの日午前中は電話の音が途切れることはなかった。
球団広報によると、午前9時から午後6時までの間に1000件近い数の電話があったという。一球団レベルの問題では、これまでは多くても100件単位でケタが違った。多い時には1時間のうちに100件を超すほどで、球団職員は対応に追われた。内容は、小久保のトレード内容についての猛抗議が圧倒的で「とにかくフロントに対しての抗議がほとんどでした」と球団関係者は話した。中には「(高塚)社長辞めろ、(中内)オーナー辞めろ」などの過激な発言もあったという。また球団の公式ホームページの掲示板には、球団を手放すべきとの意見や、オーナーらの辞任を要求する署名運動を呼びかける書き込みもあった。
福岡ドームの外では「球団はファンへ納得のいく説明をしろ」というプラカードを掲げた若い男性も現れ、無言の抗議をするファンの姿も見られた。
また、夜には、ポスティングシステムによる大リーグ移籍を希望する井口と中内オーナーが福岡市内のホテルで交渉の席についたが、平行線をたどった。井口と球団側との交渉は、先月30日の高塚オーナー代行との会談に続き2度目。前日は涙ながらに小久保放出を発表した中内オーナーだったが、井口には残留を強く要請したもよう。すでに球団側は複数年契約と来季年俸2億4000万円程度を準備している。しかし約2時間の話し合いを終えた井口は「(結論は)まだまだ先。先は長いですよ」と話した。「ホークスが強くなってほしいという気持ちは、もちろんあるし…」と揺れる気持ちを吐露しながらも「この前、(高塚)社長と話したときと(結論は)同じ。僕の思いは伝えた」と、あくまで今オフの大リーグ挑戦を容認してくれるよう求めたことを明かした。
前日、小久保の無償トレードが発表された際に王監督が「あしき前例にならなければいいが」と語った懸念は、1日たっても消えなかった。ファン、球団、選手−。小久保ショックは、まだまだ福岡を揺さぶりそうだ。(日刊スポーツ)
小久保、巨人に骨埋める!!複数年契約でFA封印
ダイエーから巨人へ無償でトレードされる小久保裕紀内野手(32)が4日、巨人が用意している複数年契約を受け入れ、来年取得予定のFA権を行使しない考えを明かした。平成5年のドラフトでは巨人を袖にした小久保だが、ダイエーの経営危機にひと肌脱いだ盟主への義理も捨てられない。巨人に骨を埋める覚悟でバットで恩返しする決意だ。
迷いはみじんも感じさせなかった。電撃移籍会見から一夜明け、ダイエーの西戸崎室内練習場で自主トレを終えた小久保は、巨人・三山球団代表が用意している複数年契約に対し、力強く首を縦に振った。
「もちろん、そのつもりです。来年FAがありますから。すぐ出ていってもらうのは困る…とオーナー同士で話されていたみたいですし。2年になるか3年か、これから最終的に詰めます」
順調なら来年7月に取得するFA権。それより巨人での複数年契約を優先したい。3年契約を結んだ場合の契約満了時は35歳。メジャー挑戦の夢も封印して、事実上、巨人に骨を埋める覚悟だといっていい。これからは巨人のために…。「プロ11年目は巨人でルーキーのつもりでやる」とまで言い切った。
実は小久保は青学大時代、平成5年のドラフト前に巨人に強烈な“ヒジ鉄”を食らわしたことがある。「巨人には行きたくない」とスカウト陣の攻勢に屈せず、かねてからの希望球団だったダイエー入りに向かって突き進んだ。
あれから10年。前代未聞の主砲の無償トレードで球界に衝撃が走った。王監督は「球団の対応には疑念が残る。誰も納得できる説明はできない」と怒りをあらわにした。それでも、巨人がダイエーの球団経営危機に手を差し伸べ、故障持ちの自分を必要としてくれたことに変わりはない。今は巨人に恩返ししたいという気持ちだけだ。
「オープン戦はフル出場したい。ダイエーで4番を打っていたから、下位じゃ発奮材料にならない。4番争い? 目標は高く置いています」
清原、ペタジーニら猛者たちにたたきつけた挑戦状。決意を表すように練習の虫は精力的に自主トレで汗を流した。すでに靱帯(じんたい)を断裂した右ひざからサポーターは外されていた。約2時間のリハビリ目的の入念なストレッチ。さらに内野ノックにティー&マシン打撃と休みなしの4時間が続いた。
「今は球団からの連絡待ちです。呼ばれればすぐ東京に行くし、宮崎なら(福岡から)車で2時間30分ですから。同じメニューは無理でも準備はしてます」
入団発表は五輪アジア予選終了後に行われる予定だが、宮崎秋季キャンプへの“参加志願”まで飛び出した。ファンに求められたサイン色紙からは『ダイエー』の球団名が消えていた。自分は野球でしかファンに答えを出せない。小久保の目には何をすべきかはっきりと見えている。(サンケイスポーツ)